2024年J3第8節 FC今治vs長野パルセイロ戦の振り返り

絶望的な状況からなんとか勝点1を手にしました。試合中思ったことや感じたことを中心に振り返っていきたいと思います。

守備と攻撃に分けるとそれぞれが表裏一体でなかなか振り返りづらいのであまり区別なく今回は振り返ってみます。

いつも通り、以下敬称略で書いていきたいと思います。

時間とスペースを結構与えてもらえるビルドアップのシーン

相手がコンパクトじゃないところもあってボランチは結構受けれた印象がありました。

コンパクトじゃないので今治のサイドの選手にボールが入った時に縦を切るとボランチのパスコースが空くし、ボランチのパスコースを切ると縦のパスコースが空くしって感じで。

それに加えて、松本のインサイドハーフ気味のポジションからのビルドアップの関与もかなり効いている印象です。

ボランチが受けられるって部分でいくと、17〜18分くらいのシーンなんかも白井がボールを持ったときにプレスには来るんだけど、外に追い込むわけでもなく、2人で連動してプレスをかけて来るわけでもないのでボランチは簡単にボールを受けることができる。

相手のファーストディフェンダーが第一層目のフィルターをあまり果たせてないと言えると思います。

20分のシーンでも新井が簡単にボールを受けれたところだったり、それ以降も中央のところでガンガンボールを受けれたところを見ると、そもそもそういうコンセプトで守備をしてないんだろうとは思うけど。

ある程度相手は最終ラインに入ってからが守備って感じの考え方に見えるので、長野はその辺も失点が多い原因になっちゃってるのかなと思ったりします。

相手にビルドアップを許さない守備を

逆に今治で言うと、18分の相手の最終ラインの選手に持たれた時にまずは中央のボランチ?の選手へのパスコースを2トップには切ってほしいところ。

また、相手のビルドアップのシーンはちょっとサイドを変えられすぎな印象を受けました。

9分のシーンなんかも山田がボールサイドにスライドしていき、相手を左サイドに追い込むようにできるといいけど、この辺が課題な気もします。

山田のフォワード起用ってところでファーストディフェンダーの役割を果たすって意味では少々厳しい部分があるのも事実。この辺が純粋な2トップを見てみたい理由だったりします。

25〜26分も同じくって感じのシーンでした。

もちろん山田の起用でこれまで良い面もありましたが、だいぶん相手に研究されてきた感もあるので。オプションの一つとしては持っておくけど、やっぱ純粋な2トップが見たいなあと思います。

高瀬はファーストディフェンダーとしての役割についてはうまくこなせるというか、戦術理解度が高い印象です。

まあ他の部分はまあ課題もあるのかもしれませんが、試合に絡んできてるのはその辺もあるのかなって思ってます。

今日のプレーなんかをみてもサイドのスペースでパスを受けて限定的なエリアでは運ぶこともできるので左サイドの役割なんかも意外とありなのかなって感じもします。

相手クロスへの対応は厳しさが必要

19〜20分のシーンでは加藤が簡単にクロスを上げさせないというような厳しいディフェンス。

クロッサーに対してはこれくらい厳しく守備に行ってほしいところです。クロスからの失点が多いことも事実なので。

一方で17分のシーンなんかは相手のクロスはミスになったけど、近藤にはああいうところはスライドして相手のクロッサーに対応するようにしてほしいところ。

ボールを持った選手が選択肢を持つ中でゴールへのリスクに繋がるプレーはやはり一番初めに潰しておいてほしいです。

サイドからのクロスはそれがそのままゴールには直結しませんが、中で合わされるとゴールになる可能性があると言えるのでクロスには厳しく守備をしてほしいです。

1失点目のシーンですが、ここはなかなか難しい対応だったなあと思います。

クロスを上げさせてほしくはないけどペナルティエリア内ということもあり、松本の対応もそこまで厳しくは行きづらいところはあったかと思います。

またクロスが上げられた後もコーナーキック崩れということもあってゾーンで守っているところで相手に先にボールを触られてしまうと失点はあり得るなあというシーン。

なんとかできるとすると近藤の立ち位置が適切だったか?というところな気もしますが、そこはちょっと酷な話なので今後の課題になるかなあって感じです。

近藤は対人は強いですが、連動した動きや予測といった部分ではまたまだ伸びしろがあるように思います。

サッカーって1対1をいかに生まないようにするかってところも重要な要素ではないかって個人的には思ってます。

1対1で負けないってところや対人の強さももちろん大切ですが、それだけではどうしても負けてしまうところが出てきます。

そうした時に組織としてどう守れるか?ってところがやっぱ大切だと思うし、強いチームはそういうところができてる印象です。

例えば、15分のヴィニ、阪野で取り切ったところ、30分の新井、トーマスで取り切ったところみたいなシーンのように1対2で対応するってことも状況によっては全然ありだと思います。

こういうのを増やせると取り切ったところから数的有利で攻めれる可能性が上がるしね。

少々不安定な今治の左サイド

クロスへの対応もそうですが、22分のサイドにボールを展開されてしまったシーンとかももうちょっとなんとかならなかったかなあと思うシーンだったりします。

加藤も近藤も同じレーン、縦関係で言うとほぼ同じポジションで守備をしています。

ここは近藤が出るか迷ったシーンかもしれないですが、予測や後ろの選手からの声掛けでもう少しうまく守ってほしいシーンではあります。

前半アディッショナルタイムに浮田にシュートを打たれたシーンなんかも加藤と近藤でもう少しなんとかできたんじゃない?ってシーンだったりします。

左サイドハーフのポジションは近藤が先発で出てますが、ここ最近はなかなかチャンスを生み出せておらず、なかなか厳しい状況と言えると思ってます。

ボールを持った際のドリブルも相手に距離を詰められると手詰まり感があり、コンディションがもしかすると良くないのかもしれないですが、研究されちゃってる感もあります。

コーナーキックのゾーンでの守備

2失点目はちょっと残念な失点だったなあと思います。今治は基本的にコーナーキックはゾーンで守っている感じです。

ゾーンで守るということはボールに対して相手よりも先に触るってことが求められると思ってます。

ボールの軌道を見ながら相手よりも先にボールを触るって結構難しいとは思うんですが、マンマークより相手にポジションをコントロールされなかったりする利点はあるのでセットプレーからの失点を減らすという意味でも精度を上げれると良いかなと思います。

1-0で勝っている試合で勝点を落としたりってところにも関わってくるところだし、勝点拾うためにもセットプレーの守備は重要視すべきと感じます。

カウンター気味になった際の課題の守備

3失点目はカウンター気味となった際に守備の課題を露呈したシーンだったと思います。

相手のボール保持者に新井と加藤が2人行ってしまいましたが、どちらかと言うと加藤は自分が空けたスペースのケアを優先した方が良かったと思います。

ただ、ここはその前のシーンで加藤が相手のボール保持者にプレスをかけていることを考えるとその判断は間違っていないと思うし、少し難しいシーンでした。

やっぱこのシーンも最終的にはサイドに引っ張り出された白井のカバーにボランチのトーマスが行くのですが、これまでの失点と同じようにちょっと無理があるような気がします。

市原がスライドして対応するってことも試してみてもいいように思いますが、いずれにしても難しい対応を迫られ似たような失点が多いのでここのところは改善が必要と思います。

交代カードでスペースを使い攻撃を活性化

60分くらいで山田と近藤を変えてほしいなあなんてXでつぶやいた記憶がありますが、それに加えて阪野も交代で高瀬、日野、アンジェロッティが投入されました。

サイドのスペース、裏のスペースをより使えた場面があったことも事実なので、タイプの異なる選手で攻撃のリズムを変えるってのは結構有効に働いた印象です。

日野は初めて見ましたが、センターフォワードタイプの選手の印象でファーストディフェンダーとしての戦術理解度とかはあんまりよくわからないですが、次節先発もあっていいのではないかなって思いました。

得点のシーンもフォワードにやってほしいって感じのプレーでJFLで下位チームに所属していたのにも関わらず、得点王ってことみたいなので得点感覚は高いんだろうなあって感じで次回以降も期待したいです。ツエーゲン金沢戦以降くらいから阪野のコンディションがあまり良くなさそうなので余計に。

2得点を生んだコーナーキック

コーナーキックから2得点しましたが、相手がマンマーク気味というところを生かすことができたのとアンジェロッティのボールの質によるゴールだったと思います。

マンマークだと相手のポジションをコントロールすることができるってところがポイントです。1点目のシーンなんかは相手が密集するところで空中戦で競り勝っての得点でした。空中戦で競り勝ったからこその得点ではありましたが、相手からするとマンマークで守りづらいところだと思うので、そういったところを今後も突いていってほしいです。

3点目は伊藤のフォワードさながらの相手に近づいてから遠ざかるプレーとヴィニがニアにディフェンダーを引っ張ったプレー、アンジェロッティのボールの質がうまく噛み合ったゴールでした。相手がマンマーク気味だからこそゴールに繋がった気がします。

勝点1を拾ったという意味ではまさに値千金のゴールだったと思います。

おわりに

相手のプレーからすると勝点3を取れた試合でもあったとも言えるし、よく最終盤で勝点1を拾った試合とも言えると思います。

相手の決定的なシーンはすべてゴールにされているような印象でシュートを打たれると危ういなあってところは昨年も同じような印象を持ったところです。

守り方一つでシュートまで行かせない、むしろ奪ってから人数をかけてゴールを目指すってことも可能だと思うので、今一度組織的な守備からの攻撃ってところを意識して、次節こそは勝点3を拾ってほしいです。

それでは。

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